アグリトゥリズモとは

イタリアのアグリトゥリズモは、この30年でイタリアにおいて発展した田園観光の原型です。その特徴は、農園で行われること、そしてその主人公である農家の手になるということにあります。　　


アグリトゥリズモはしばしばアグロトゥーリズムとかファーム・ホリデイなどと訳されることがありますが、今では流行の洋服のように、その田園世界の大きな魅力で、世界各国、特に常に都市化していく社会の欧州各国を席巻しています。このように、緑と田園景観に浮かぶ農園は、都会の規則と雑踏を離れて田舎で総合的にしかし素朴に暮らす場所となっています。イタリアで“アグリトゥリズモ”という言葉は、田園観光を定義すると同時に、その農園自身も意味します（例えば、“アグリトゥリズモ”に休暇に行ってきたといったように）。もはや多くの外国人観光客も、これに訳語をあてるより、アグリトゥリズモという語を好んで使うようになりました。　　 アグリトゥリズモのおかげで、今日2万を越える事業が展開し、イタリアでは伝統的な農業経営が困難な地域の歴史的価値の高い農場が保護されてきました。実際、アグリトゥリズモ事業の大部分は、集約農業や機械化農業に不向きな丘陵や山岳地方にあります。　　 一方、アグリトゥリズモは、小規模な生産体系、また環境、特に森林や地中海潅木林との融合、芸術的都市や古い町、中世やルネッサンス時代の集落との至近性などを優先的に考えています。　　 アグリトゥリズモは故に、まさにイタリア芸術が生まれ育ったその場所で、多くの宝物を発見する訪問客が発見する機会を与えてくれるのです。